地銀行員日記

中堅地方銀行に勤める30代中堅行員です。仕事のことや、金融・地方創生関連の書籍の感想などを綴ります。

新卒入社の企業で定年まで勤めるのは現実的か

70歳まで働くのがめずらしくない今、1社でキャリアを全うすることは可能なのでしょうか。

決して銀行の仕事が嫌なわけではないですが、転職が当たり前で、企業の平均寿命も短くなってきている今、そろそろ次のステージに足を踏み出すべきなのではないかと考えているところです。

私は銀行に勤めて10年ほどになります。上司や運にも恵まれて、ここまでは実力以上の高い評価をしていただいていると感じます。
また、銀行内に知った人が増えて、銀行の仕事の進め方も分かってきて仕事自体やりやすい環境になってきているとも感じています。

せっかく銀行に入社したからには、トップ目指して頑張りたいです。もちろんなろうと思ってなれるものではありませんが。

一方で、「このまま心地よい環境の中に身を置いていてよいのだろうか?」と考えることがしばしばあります。

銀行に限らず、今はどの業界もたいへん厳しい環境の中で経営しています。これまで安泰といわれた大手製造業も、わずか数年で経営状況がガクッと悪くなることもめずらしくないです。

そんな変化多き時代において、大半の従業員が新卒入社して定年まで勤め、頭取はプロパー社員の中から選出するという昭和的な経営をやり続けていて良いとは、とても思えません。

多くの銀行の経営陣は口では「積極的に変化を」とか、「積極的にリスクを取って」とか言っていますが、少なくとも私が勤めている銀行では変わらず保守的な経営を続けています。

"変わりたいのではなく、環境がそのままでいることを許さないから、仕方なく外的モチベーションで変化している”、そんな印象です。

たとえ自分自身がこの後20年銀行員として勤め続け、結果役員になれたとしましょう。そんな人間を当然のように役員にする銀行が、時代の波を潜り抜けて健全な経営を続けているとはとても思えません。

繰り返しますが、今銀行員としての仕事はとても充実しています。決して思い通りにはいきませんが、それなりに大きなプロジェクトの中心的役割を担うことができています。このプロジェクト完了後にも、5年後に向けてまた別の一大プロジェクトを担う予定でおります。

大変充実はしているのですが、「これはたんにぬるま湯につかっているだけではないか?」、「現状に甘んじているとゆでガエルになってしまうのではないか」、そう考えています。

銀行に新卒入社した社員が途中で全く別のキャリアを歩み、その経験をまた銀行で活かす。当然周りには銀行プロパー社員は少数、キャリアを金融以外でスタートさせた人たちも大勢いて、役員も当然プロパーの人なんていない。
そんな銀行の方が変化にも柔軟かつ迅速に対応できそうじゃないか。そう思うのです。

今すぐ銀行を辞める気はありませんが、自分の中では数年後には次のステージに身を移したいと考えています。辞めることばかり考えると早まって望ましくない道を選んでしまいそうですから、じっくり検討を続けたいと思います。

銀行員としてのキャリアを考える

70歳まで働くのがめずらしくない今、1社でキャリアを全うすることは可能なのでしょうか。


決して銀行の仕事が嫌なわけではないですが、転職が当たり前で、企業の平均寿命も短くなってきている今、そろそろ次のステージに足を踏み出すべきなのではないかと考えているところです。


私は銀行に勤めて10年ほどになります。上司や運にも恵まれて、ここまでは実力以上の高い評価をしていただいていると感じます。


また、銀行内に知った人が増えて、銀行の仕事の進め方も分かってきて仕事自体やりやすい環境になってきているとも感じています。


せっかく銀行に入社したからには、トップ目指して頑張りたいです。もちろんなろうと思ってなれるものではありませんが。


一方で、「このまま心地よい環境の中に身を置いていてよいのだろうか?」と考えることがしばしばあります。


銀行に限らず、今はどの業界もたいへん厳しい環境の中で経営しています。これまで安泰といわれた大手製造業も、わずか数年で経営状況がガクッと悪くなることもめずらしくないです。


そんな変化多き時代において、大半の従業員が新卒入社して定年まで勤め、頭取はプロパー社員の中から選出するという昭和的な経営をやり続けていて良いとは、とても思えません。


多くの銀行の経営陣は口では「積極的に変化を」とか、「積極的にリスクを取って」とか言っていますが、少なくとも私が勤めている銀行では変わらず保守的な経営を続けています。


"変わりたいのではなく、環境がそのままでいることを許さないから、仕方なく外的モチベーションで変化している”、そんな印象です。


たとえ自分自身がこの後20年銀行員として勤め続け、結果役員になれたとしましょう。そんな人間を当然のように役員にする銀行が、時代の波を潜り抜けて健全な経営を続けているとはとても思えません。


繰り返しますが、今銀行員としての仕事はとても充実しています。決して思い通りにはいきませんが、それなりに大きなプロジェクトの中心的役割を担うことができています。このプロジェクト完了後にも、5年後に向けてまた別の一大プロジェクトを担う予定でおります。


大変充実はしているのですが、「これはたんにぬるま湯につかっているだけではないか?」、「現状に甘んじているとゆでガエルになってしまうのではないか」、そう考えています。


銀行に新卒入社した社員が途中で全く別のキャリアを歩み、その経験をまた銀行で活かす。当然周りには銀行プロパー社員は少数、キャリアを金融以外でスタートさせた人たちも大勢いて、役員も当然プロパーの人なんていない。


そんな銀行の方が変化にも柔軟かつ迅速に対応できそうじゃないか。そう思うのです。


今すぐ辞める気はありませんが、自分の中では今から2年後、2024年の誕生日までには次のステージに身を移したいと考えています。辞めることばかり考えると早まって望ましくない道を選んでしまいそうですから、じっくり検討を続けたいと思います。



金融機関の企画・改革をどう進めるか

私はここ数年、銀行本部で企画職に従事しています。

大きな組織の中で何かを変えるのは大変だが、得るものも多いというお話です。

近年、金融機関においてはDXやら新規事業やら、厳しい低金利時代を乗り越えるためのウルトラCを求める活動が盛んです。

私が勤める銀行も例外ではなく、ここ数年矢継ぎ早にデジタル化、改革、DXといった言葉を使って数々の企画を推進しています。私もこの4~5年間で10近くの企画を起案・実施してきました。

銀行で何かしらの企画を推し進めるためには、所属部署だけではなく営業店や本部の他部署を巻き込んでいく必要があります。企画案を説明して、「おーそれはいいね、ぜひやろう!」となることは、これまで経験したことがありません。

企画自体が悪いということではなく、「案自体はいいと思うが、今は人員が不足していてできない」とか、「いいと思うがそれは我々のやるべきことではない」といった意見が多いです。

(私が勤める銀行だけかもしれませんが)多くの銀行員は今やっている業務が変わるということに対して、拒絶反応を示すんだなと思いました。

ちょっとした改善案でも、「言い出した奴がやればいい」となって、やって当たり前、できても何のプラス評価にもならない、そんな感じです。
仕事が増えるだけで表かもされないんだから、できるだけ新しいことはやりたくないんでしょうか。

そうはいっても私は企画担当ですから、あらゆる手を使って関係部署を説得していかなければなりません。
まあ、決裁権限者をうまく取り込めれば組織として然るべき手続きを経て企画を実行できますから、主に決裁権限者の説得に注力することになります。

たとえ組織的な承認が得られても、めでたしめでたし、というわけにはいきません。企画が通れば、それを実行に移すために実務者と一緒に進めていく必要があります。

この実務者たちがまた曲者です。「なんでこんなことをやるんだ」とか、「自分たちはやりたいなんて言っていないのに仕事を押し付けられた」とか、けっこう文句を言ってきます。

心の中で「そんなに嫌なら銀行辞めろよ。銀行に残り続けるなら指示に従えよ。」と思いつつ、笑顔で適当に相槌を打ったりしながらやり過ごします。

なぜ銀行には、こんなにも自分の責任が及ばないことに対して文句を言う(その割に対案は出さないし、特に行動に移すこともない)人が多いんでしょうか。

そんなわけで企画職はなかなかストレスがたまる仕事ですが、少し前から「思い通りにいかないのが当たり前。思い通りにいかないからこそ自分が携わる意味がある」という意識に変わってきました。

当然ですが、誰でもできる仕事にはそれほど価値がありません。できたからと言って社内の評価が上がるわけではなく、また転職するとしても実績として物足りないでしょう。

困難な仕事を遂行したからと言って社内評価が上がるとは限りませんが、困難であればあるほど経験値が上がりますし、業務能力も向上します。

経験値は確実に次の仕事で活かせますし、業務能力が上がればより困難な企画に挑戦できるかもしれません。あれこれ言われるのは大変ですが、それだけ人に影響を与えうる仕事に携われているんだと思ってポジティブに取り組んでいこうと思います。

銀行員のライフワークバランス

皆さん、ワークライフバランスは取れていますか?

世間や銀行の経営陣は「仕事も育児も両立を」と言うけれど、男性女性問わず、なかなか難しいよね、というお話です。

下記の厚生労働省の統計を見ると、今や共働き世帯は7割近くに達しています。
www.mhlw.go.jp

我が家も共働きで、妻は今育児休暇を取得しています。2歳の娘は保育園に行っていますが、2人目の面倒は妻がみています。
父親として極力育児にも協力しようと思っていますが、日中仕事をしていると、育児に費やせる時間はほとんどないというのが実情です。

わずかな時間でもできる限りの育児を、とは思いますが、そうすると自己研鑽に充てる時間は当然短くなります。仕事も育児も両方がんばりたい身としては辛いですね。

【平日の時間の使い方】

私の平日はこんな感じです。

・5時過ぎ 起床
・6時10分 通勤
・7時30分 出社
・18時前後 退社
・19時半 帰宅、食事
・20時過ぎ 子供の風呂、歯磨き
・21時〜22時過ぎ 寝かしつけ
・22時半〜 読書、筋トレ、寝る準備
・24時 就寝

家にいる間は、できる限り子供と過ごすようにしています。それでも21時過ぎに寝てしまうので、一緒に過ごせる時間はわずかですが。

【休日の時間の使い方】

また、典型的な休日の過ごしかたは下記のとおりです。

・7時 起床
・〜8時半 子供と自分の朝食
・9時半〜 子供とお出かけ
・12時〜 昼食(料理担当)
・13時〜 子供の遊び相手
・14時〜16時 
・17時〜 買い物とか
・18時過ぎ 夕食(料理担当)

〜以下、平日と同じ流れ〜

休日はできるだけ子供の相手をしようと思っています。また、妻はずっと子供と一緒で気持ちの面でもしんどいでしょうから、積極的に娘を外に連れ出して妻がゆっくりできる時間をつくるようにしています。

独身の頃は仕事以外の時間はいくらでも自己研鑽に充てられましたし、休日もがっつり試験勉強等することができました。それが出産を機にガラッと変わりました。

自己研鑽や試験勉強自体はやる気満々ですが、どうしても家族のことを優先しますから、仕方がないとは割り切っています。読書や勉強は、したかなく通勤の電車のなかでやっています。

【育児休暇中に仕事のことが考えられるか?】

実は妻も金融機関に勤めていて、私と同様に「育休中にも試験勉強等の自己研鑽をできる限りやってください」、という趣旨のことを会社側から言われています。

確かに休業中で仕事はしていないですが、正直育児しているだけで充分頑張っていると思います。子供が起きている間は子供から目が離せないですし、子供が昼寝している間は家事をしていますし…自分の時間なんてほとんどないと思います。

もうね、育児しているだけで、それだけで十分頑張っていると思うんですよ。それ以上のことを望む必要ないでしょ?と思うわけです。

【20代30代の既婚男性のロールモデルはいるか?】

国や企業は「男性も子育て参加を」とか「女性の活躍を」とか言っていますが、何となく、そう喧伝している人たちは今の普通の子育て家庭のことをほとんど理解していないのではないか、と思います。

今や女性の社会進出が進み、幼い子を持つ夫婦の両母親もフルタイムで働いていることが珍しくありません。

また、実家から遠く離れた場所で暮らす夫婦であれば、そもそも両親の援助がなかなか得られない中子育てすることになります。

父親は…そもそもオムツすら変えられないでしょうから、いてもいなくても大して変わりません。つまり、夫婦2人でどうにかして子供の世話をしつつ、仕事も家事もやっていく必要があるわけです。

そもそも自分自身でちゃんと子育てをやったことがない50代60代の経営陣が、「男性の育児参加」だの「女性の活躍」だの言っても、机上の空論としか感じられないようなことばかりだと思うんです。

今の私のような、幼い子供を持つ20代30代の男性のロールモデルとなるような人は、少なくとも私が知る限り社内にはいません。子育てを妻や義母に任せて実情を知らない人たちに「子育てに参加しろ」、「でも自己研鑽もたくさんやれ」なんて言われても、うるせえ位の感想しかありません。

今からでも、少しは子供や孫の相手をして自分で体験してほしいものです。

我が家はコロナ禍で子供が生まれたこともあり、子育てに関しては私がかなり参加できました。数日間子供の面倒を見ることになっても、特に何も困ることなく子供を1人で観ることができます。

また、今後ますます増えるであろう共働き夫婦ならではの大変さも、それなりに経験できていると思います。

私たちの世代の男性が、多くの企業の経営層に就く日が来たら、銀行員のみならず多くの企業のワークライフバランスは良くなると思います。20年後、30年後、今の私たちみたいな夜会男性にとってのロールモデルが社会にあふれる世界を創っていきたいなと思います。

自己紹介

こんにちは。

このブログを読んでいただきましてありがとうございます。田舎で地方銀行員をしている中介と申します。

今回が初めての投稿になりますので、自己紹介がてら私のことを書いておきます。

【自己紹介】

私の自己紹介は、ざっくりこんな感じです。

・職業:銀行員(新卒入社)
・年齢:30代前半
・業務:本部勤務(システム関連の企画・実行)
・家族:有(妻、子供2人)
・住まい:普通のマンション
・趣味:読書、スポーツ全般

学生時代は上京して都内の大学に通っていましたが、就職を機に地元に帰りました。
地元に帰りたいという気持ちは全くありませんでした。たまたま今の銀行に最初に内定をいただいたので、入社を決めました。

入社後は支店での営業を数年経験したのち、企業からの派遣で海外留学してMBA経営学修士)の学位を取りました。
帰国後はずっと本部勤務で、主に企画系の業務に従事しています。

【このブログを始めた経緯】

このブログを始めた理由は、「自分の本音を語れる場が欲しかったから」です。
実名でもSNSを利用していますが、銀行内部の人やお客さんと繋がっていますから、銀行員という立場上率直な意見が言い辛いことが多々あります。そういうしがらみから解放されて、考えたことを正直に語れる場が欲しかったのです。

なんとなく決めた銀行員という仕事も、はや10年以上が経ちました。10年も銀行に勤務していると、社内文化に慣れ、人脈も広がり仕事が格段にしやすくなりました。

一方で、この心地よさに甘えていてはいけないなという危機感も大きくなってきました。とはいっても、結婚して地元に生活の基礎を置く以上、易々と転居を伴う転職活動をするわけにもいかず、地元で銀行に代わる勤務先を探すのもなかなか難しく・・・

この銀行に勤め続けるべきか、新たな場を探すべきか、おそらく銀行員経験がある多くの方々が感じた思いを、今私も抱いているのだと思います。葛藤に近い状況ではありますが、日々感じることをこの場に綴っていこうと思っています。

【ブログ記事の内容】

特にジャンルを絞って書く予定はありませんが、職業柄どうしても銀行関連の記事が多くなると思います。

また、本部での業務に関する書籍を読み漁って仕事に臨むことが多々ありますので、書籍の感想も多くなろうかと思います。

大真面目に書くつもりはないですが、同じ銀行員の皆さんや、他業種の方も、色々と意見交換できれば良いなと考えております。

いただいたコメントには極力全て返答させていただきますので、お気軽にコメントいただけましたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いいたします。